どうでもいい話(制作裏話)

制作者の自己満足のためだけに書いたものです。

このゲームの制作期間

昔書いたブログの日付によると、このゲームを作り始めたのは2009年7月からです。ゲームを完成させて公開したのは2021年8月のことです。そうすると、このゲームの制作期間は12年ということになります。
 
ところで私は2010年に結婚したのですが、そのころにはゲームは9割方完成していました。当時は私も考えが甘く、結婚しても独身時代とそう変わりない自由時間を確保できると思い込んでいたので、その2010年内には完成させて公開に踏み切ろうと考えていました。
 
しかし、結婚後は自由時間がほとんど無くなってしまいました。新婚なのに一人で夜な夜なPCに向かって作業するのは気が引けますので、当時ブログに書いていた作業日報も2010年12月を最後に更新が停止されています。それでもしばらくは細切れ時間を見つけては地道に作業を続けていたのですが、子どもが産まれたら本当に物理的な意味で自由時間を確保することが困難になりました。それからは完全放置状態です。 
 
その後、子どもも大きくなって親の手を離れだし、また自分の自由に使える時間が少しできました。せっかく手に入れた時間で何をしようか、もうゲームを作るような年齢でもないしなぁと思っていたところ、ゲームアツマール様でRPGツクール2000/2003で制作したゲームも対応したとの情報が飛び込んできました。
 
公開できる場があるということは制作する上で非常に励みになります。私は数ヶ月を費やしてゲームを完成させる作業に没頭しました。約10年の間に自分でも何をどこまで作っていたのか忘れてしまっていたので、想定していたより時間がかかってしまいましたが、何とか完成までこぎ着けました。
 

Project Foundation & Expantion とは

ゲームのタイトル画面に「Project Foundation & Expantion」との表記があります。これは私がこのゲームの作成を開始したときに付けたプロジェクト名です。Foundation の日本語訳は「基盤」、Expantion の日本語訳は「拡張」となります。
 
ところで、このゲームをプレイしてくださった方の中には、もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。このゲームは「Wizardry」の影響を多分に受けています。私は小学校6年生の時に「Wizardry」を毎日のようにプレイしてはまり込んでいました。このゲームの最初の方の戦闘バランスがかなりシビアなところや、迷宮最深部のボスキャラが魔術師であるのは、「Wizardry」を意識しているからに他ありません。
 
中年になってから、「Wizardry」のようなゲームをもう一度プレイしたい、特に最初の内はすぐ死んでしまってレベルアップもままならない緊張感を味わいたいと思いました。そこで、戦闘がメインで、その戦闘バランスがかなりシビアなゲームを作ろうと思い立ちました。そのプロジェクトの名前が「Foundation」でした。
 
「Foundation」は、単に戦闘を繰り返してレベルアップをするだけのゲームです。とにかく制作者である私がプレイしてもシビアだなと感じる程度の戦闘バランスにしました。公開する予定もなく、制作者自らが楽しめれば良いとだけ考えていました。このゲームを公開した当初、難しすぎるとの感想やご意見が寄せられましたが、制作者本位で作成してしまったのが原因だと思います。
 
「Foundation」に若干のイベントを加えれば、一般的なゲームっぽくなって、公開に耐えうるかもしれないと欲を出して作り出したのが「Expantion」です。
 
私は小学生から中学生の時、アドベンチャーゲームブック(数字が振られたパラグラフがあり、「分かれ道だ。右へ行くなら42へ、左へ行くなら13へ行け」等と選択肢が書かれており、読者が主人公の行動を選べる本)が好きだったので、その中に出てきそうなものイメージしてイベントとして加えていきました。
 

使えない魔法が多いのは何故か

「Wizardry」の中には、1回も使わないだろうと思うような魔法も多数用意されていました。ただ、私が使っていなくても、他のプレイヤーは上手い方法を考えて使っていたかもしれません。そこで、このゲームでも敢えて「本当に必要なの?」と思われるような魔法を用意することにしました。 
 

最強の武器防具の称号が「母なる~」である理由

これは「Wizardry」ではなく「Fantasian」の影響です。「Fantasian」も「Wizardry」と同じくワイヤーフレームで描かれた迷宮を探索していくRPGです。私は小学4~6年生の時にプレイしていました。
 
「Fantasian」は小学生には難しく、クリアできませんでしたが、山下章著「チャレンジ!!パソコン A.V.G & R.P.G.」(電波新聞社、1987)に掲載されていた攻略記事はよく読んでいました。その本には「Fantasian」の全アイテム一覧表が掲載されており、戦士が使える最強の武器は「Mum Blade(母なる刀)」でした。
 
当時の私は厨二病になりかけだったので、このネーミングにいたく感銘を受け、中年になっても記憶に残り続けていました。そこで、今回のゲームでの最強の武器・防具の称号として使わせてもらった次第です。
 

このゲームの背景にある物語

このゲームのストーリーは後からとってつけたようなものなので、数々の矛盾があるかもしれません。
 
この迷宮は、ゲーム開始時より約200年前に、邪悪な魔術師が自らの野望を実現する為の本拠地として造り上げられました。この邪悪な魔術師は討伐され、迷宮から姿を消しました。
 
地下4階で氷漬けにされていた魔術師ザーガンは、この邪悪な魔術師の卑劣な罠にかかってから起きた出来事は知らないので、邪悪な魔術師が討伐されたことまでは知りません。
 
なお、この邪悪な魔術師は実は死んではおらず、かろうじて生きていて、地下11階で復活の時を待っています。プレイヤーが迷宮を立ち去った後、調査を続けていた謎の女性ルカが巧妙に隠されていた地下11階への進入路を発見し、邪悪な魔術師に身体と精神を乗っ取られてしまうのは、このゲームとはまた別の話です。
 
 
「Wizardry」の第4作目は、第1作目で倒された魔術師ワードナが主人公になって逆襲するというシナリオですが、私も機会があったら邪悪な魔術師が復活して地下10階から地上階を目指すゲームを作りたいと思います。
 
邪悪な魔術師が姿を消してから約100年後、この世界に魔王が復活しました。魔王は勇者達のパーティーに討伐されました。しかし、勇者達は、魔王討伐後、それぞれ決して幸せとは言えない人生を送ることになってしまいます。勇者のパーティーにいた賢者は、自分たちの不幸の原因は魔王であるから、過去に遡って魔王復活を阻止すれば、自分たちの人生を変えられるのではないかと思いつきます。勇者達は、過去に遡るための研究をはじめますが、人知れず神をも恐れぬ研究をする為に、100年前に邪悪な魔術師が造り上げた迷宮を利用することにしました。
 
勇者達のパーティーがやっていた研究の内容については、地下9階でその一部を知ることができます。彼らは、色々なモンスターの素材(DNA)を掛け合わせて、同じ時を繰り返すウロボロスを造りだそうとしていました。
 
掛け合わせる素材をストックする為に、モンスターや人間のクローンも製造していたようですが、クローンはオリジナルと比べると、能力的に大分劣化してしまったようです。その中で邪悪な魔術師の劣化版も生み出されて(どこかに魔術師の遺骸の一部が落ちていたのでしょう)、地下10階の最深部に住み着きます。
 
勇者達の計画は、実現までにかなりの時間がかかることが判明したので、彼らは自分たちが死んでしまっても研究が続いていくシステムを構築しました。自分たちが亡くなった後でも、誰かが魔王復活を阻止すれば、自分たちの不幸は歴史から消えて無くなるので構わないと考えたようです。
 
 果たして、かつての勇者達の思惑どおり、過去に遡って魔王の復活を阻止できるのか。機会があれば、これに関するゲームも作りたいと思います。
 

続編について

続編を作ろうとは全く考えていなかったのですが、プレイしてくださった方の1名が続編を希望するとおっしゃってくださいましたので、前向きに考えています。1名でも非常に嬉しかったのです。次回作のタイトルは「或る街での冒険」にする予定です。全部作り終えてから公開するとなると、非常に時間がかかりそうな気がするので、ゲームアツマール様の更新機能を使って、1本のシナリオを作成する度に更新していくという方法を考えています。